最高収量を目指すために
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  ■新栄養週期栽培法

1)はじめに
2)栄養週期栽培法
3)栄週の再現性
4)問題点(苦土

5)問題点(土壌)
6)問題点(尿素)
7)新栄週の命名根拠


新栄週の理論体系
1)ソースシンク理論
2)人間と作物
3)人間と作物2
4)栄養と分化生長

 
 7、新栄養週期栽培法の命名根拠

新栄養週期栽培法を勝手に名乗らせていただくことの是非は自分一人では判断できませんが、恒屋棟介氏が亡くなり栄養週期栽培法は、正当な伝承者がいないと思われ、最近発売された書籍(家庭菜園の実際―栄養週期理論の作物づくり: 大井上 康, 日本巨峰会)においても、筆者が問題としている概念についての記述はなく、原盤の現代語訳と、多少の苦土使用と概念図を作っただけで、使用される肥料も従来の肥料をそのまま記述しているにすぎず、いわゆる変更の無い”栄養週期栽培法”の書籍であります。

栄養週期栽培法を筆者は理解しておりますと、声高に叫んだりその理解度をここに証明することは、重要ではなく、生産される農産物が証明しますが、弊社の目的と読者の目的はより良い農産物を生産するために必要な理論体系と、それに見あった資材の選定を行うかであり、試しに使用することを実践できる余裕のない実践者が、安易に実現できる方法と使用資材を理解していただくためであります。

窒素を投入すると生育が旺盛になることは周知のことですが、なぜ旺盛になるかの説明は、過去の用語を利用した理科学において始めて説明されるもので、精神論や、形而上学で説明するものではありません。大根の種がなぜ大根になるかを説明できないのもまた理化学であります。

炭素率(C/N)でトマトの生育を説明した”クロースとクレービルの4つの場合”に理論の原点がある栄養週期栽培法において、P/N、Ca/Nによる収量性と品質及び食味を追求し実現できた理論体系は前述したとおり全くの正しいことであり、容易に再現できる理論体系であります。容易に再現できないことの問題点を平易に表したように、理論体系が完全であっても再現できないことには、

       意味がない

                           のであります。

”知る”ことと”識る”ことが違うように、透徹した根本原理に基づいて展開された栄週は、進化しなといけないのであります。
進化することとは平易の”言葉”で再説明できる必要があり、その再説明には、70年前には一般的になかったか、栄週に記述されていない用語の利用も必要となります。

1)ソースシンク理論(再転流先の行方)

2)代謝と細胞

3)土壌の三相構造と土壌空隙の酸素分圧

4)土壌酸度(PH)、電気伝導度(EC)、土壌炭素率(C/N)

5)塩基バランス(K/N、Mg/K、Ca/Mg)

6)ケイバン比(Si/Al)に基づく、ケイ酸塩白土による土壌改良

7)バイオマス(有機物)循環による土壌維持(微生物)

栄養週期栽培法は、リン酸で花芽を多く付け、カリウムで果実を大きくし、カルシウムで果実を肥大させ、糖分の多い果実を生産するために的確に説明された理論体系であり、これを無視して増収へ導くことは不可能であり、それを最初に確立した大井上氏に対する尊敬と畏怖の気持ちであり、技術立国日本のスピリッツを再び、我が国に復活させたいとの筆者及び弊社の顧客様の要望により具現化するものであります。
売名行為であることの批判は甘んじて受ける用意がありますが、その批判は、少なくともこれから書かれる理論体系をお読みいただき、少なくとも実践されたのちに頂きたいことですが、内容に対する説明や実践する前の質問などに、あらゆる方法で回答する用意があります。

  新栄養週期週期栽培法は

1)無肥料出発を行う代わりに土壌分析を行い元肥の種類、量を決定する。

2)土作り資材として、石灰窒素、熔りん、苦土石灰などを適正量使用する。

3)土壌改良材として、ケイ酸塩白土(ソフトシリカ)完熟堆肥(まぜた君)を適正量使用する。

4)追肥肥料として、養液栽培用肥料を使用する。

5)現行ある、栽培上に適格な資材を有効利用する。(炭酸ガス施肥、過酸化水素水など)


実際に行われる作業や、利用される資材は上記の資材ですがこれは、弊社が16年間に渡り提供してきた資材で、その為に、連作障害を克服したり、生産性が頗る安定するなど、負の局面は全く現れていないことが、事実として提供できるものであります。

もちろん、使いすぎによる弊害は、堆肥や化成肥料にはありますので、土壌分析や品質の劣化が現れるときには、投入量の増減を行うのは常識であり、恒久的に同一の資材を利用することは、非常に稀になると思われます。

上記内容で一番重要な栄週における ”無肥料出発” の概念でありますが、現在でも栄週において実践者の必ず励行する概念と作業はおそらく”無肥料出発” であると思われます。

”無” の概念は、昨今では、自然農法の福岡氏の”無の哲学” なる農法がありましたが、鶏糞を投入する農業を行い、栽培不能になった所で、何も入れずに行って、まともな農産物が収穫できた方法ですが、過去に投入された鶏糞に肥料成分が実在する限りは無ではありません。

また、栄週においても堆肥の投入を行うなど、同様の理由で無ではないことは明らかであり、栄週の無肥料は土壌中に窒素成分が ”無” であるかの記述であることは間違いありませんが、現代の用語でいうとC/Nや、P/Nを重要視するならば、ECが非常に低い状態か、硝酸態窒素が非常に少ない状態を表すと思われます。

硝酸態窒素は、土壌中において ”無” すなわち ”0” になることはあり得ますが、ECが0になることはおそらくあり得ません(0.02ms/cm程度は稀にある)。現在では、水耕栽培や養液栽培でも使われるECが土壌の肥料成分の多少を表す一番簡略な方法で且つ信頼できる指標ですが、硝酸態窒素との相関関係が報告されています。

          硝酸態窒素(NO3)kg/反当 = (44X)-15      X=EC(ms/cm)

この計算式は、ECが0.34 の状態では、硝酸態窒素が ”0” すなわち  ”無”  であることを表しており、いわゆる無肥料の状態は、ECが0.3程度であることが理解できます。詳細な説明は後述しますが、栄週のNmとする無肥料出発を再現するには、最低限の土壌分析が必要でありECを把握するだけでも、無肥料出発の概念を数値的に再現出来ることとなります。

新栄養週期栽培は、いかなる作物もどの生育ステージでもすぐにでも始めれる栽培法でありますが、最高収量を実現することが目的である本書においては、すべての概念を平易に解説する必要があり、その技術を書物にすることを、求める方が一人でもいらっしゃるならば(イチゴのMK様の為だけでも)、実務以外のすべてのことを取りやめる覚悟で書き進める所存であります。

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